前回の記事ではお菓子の出来は型の素材でも違ってくる話
型の素材についてお話ししました。
今回はそれに続いて型の表面加工についてお話ししていきたいと思います。
表面加工について
実は表面加工の違いによってもお菓子の出来に差が出てくるのです。
お菓子を家で作るとき、お店で作るときと大きく違う点があります。
それは使用頻度。
これは実は大きな違いです。
家でお菓子作りを楽しむ際に
もう一つ大切なポイント
「使い勝手」の違いも大きく関わってきます。
具体的に言うと
お店では大量に頻繁に使うので、
家庭で使うよりも
耐久性やコストパフォーマンスが求められます。
家庭用で重要視するのは
「使い勝手」がまず第一だと思います。
「使い勝手」に大きく関わってくるのは
素材だけではなく、表面加工も重要です。
つまりお手入れのしやすさ。
空焼きが必要か、不要か。
サビに強いか、弱いか。
表面加工の種類
よく目にする表面加工は数種類あります。
主なものはフッ素加工(テフロン加工)、シリコン加工だと思います。
それぞれの特性は
表面加工 | 特性 |
フッ素加工(テフロン加工) | 汚れが落ちやすく型離れが良い。お手入れが簡単。 |
シリコン加工 | 汚れが落ちやすく型離れが良い。お手入れが簡単。フッ素加工よりやや耐久性が劣る。 |
上記の加工の焼型は空焼きは不要です。
つまり、購入後すぐ使えてお手入れも楽。
一方で、
ブリキ。アルタイト、ギルアは空焼きが必要です。
ここで一つ注意したいのはシリコン加工とシリコン製の違いです。
シリコン加工は金属の型にシリコン樹脂でコーティングしたもので、
シリコン製は全体がグニャっとしたシリコンの型です。
シリコン加工の型は焼き菓子に向いていますが、
全体がシリコンで出来ているシリコン製の方は
熱伝導が悪いので、焼き菓子には不向きです。
ムースなど冷凍させて綺麗に形を作りたい時などに適しています。
空焼きについて
空焼きとは
製造時の工業油を焼き切るための作業です。
空焼きの手順は
- 中性洗剤で洗い、水気を拭き取る。
- 何も塗らずに200℃のオーブンで20分くらい焼く。
- 冷めたらショートニングやスプレーオイルを薄く塗って200℃以上の高温で20分くらい空焼きする。
空焼きが終わっていても、使用の度に油脂を塗ってから生地を流し込んで使います。
使い終わった型は汚れがひどくない限り
洗わずに拭き取るようにした方が型離れの良い状態を保てます。
型のお手入れについて
家庭でお菓子を作る場合、
お店ほど頻繁に焼くという方は少ないのではないでしょうか?
頻繁に使用しない場合は一度中性洗剤できちんと汚れを落とした方が良いです。
しばらく使用しないで洗わずに型を放置することはなかなか出来ないですし、
汚れにカビが生えてしまったり、
匂いがついて取れないという事もあるかも知れません。
総合的に考えると、表面加工がないものの場合
(スポンジケーキのジェノワ缶、タルトリングなど)
多少熱伝導が劣っていても、
家庭では錆びにくいステンレス素材の方が使いやすいと思います。
更に、マドレーヌやフィナンシェ、クグロフ型など
特に凹凸があったり形が複雑なものの場合は
シリコン加工、テフロン加工も家庭用にはとても便利です。
割高にはなりますが、型離れがよく、空焼きも不要でお手入れも簡単なのでとても扱いやすいのでおすすめです。
使用頻度がお店ほど高くないのでそこそこ長く使えます。
まとめ
家庭用に向いているのは
- 焼き菓子用ならアルタイト、ギルア、アルミなどの金属製のもの。テフロン加工やシリコン加工など型離れの良い加工がしてあるものが使いやすい。(ただし、シフォンケーキは型に張り付いた方が良いので加工のないアルミ製が良い)
- 湯煎焼きなどに使う事もあるもの(スポンジケーキ用のジェノワ缶など)は錆が出にくいステンレス製が扱いやすい。
- ムースなどの冷やしものにはステンレス、シリコン製が便利。
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